2013年5月16日木曜日

Q. 北風が太陽に勝つストーリーを考えてみよう 【3.回答案】


考える力を鍛えるトレーニング問題 NO.002



・ 上のテーマの問題を知らない人は、「問題編」へ

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それでは早速、回答案を見ていきましょう。

今回の回答案は、以下のような設定で物語を作ってみました。




「服を濡らした方が勝ち」なんて、少し強引な感じもしますね、、、

もし、もっと魅力的な物語を思いついた!という方がいらっしゃいましたら、

是非コメントもしくはメールでご連絡くださいね。


それでは、ちょっと長文になりますが、私が考えてみた「北風が太陽に勝つ」物語です。


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【北風が太陽に勝つストーリー案】


続・北風と太陽


ある日のこと、太陽が北風に言いました。


「前回の勝負は、残念だったね。どんなに君が力を込めて風を吹いても、旅人の服は吹き飛ばせなかったからね。」

北風は、残念そうな顔をして言いました。

「あぁ、君の言うとおりだ。君のお陰で、自分の限界を思い知ったよ。」

北風がため息をついて下を向くと、太陽はにっこりと笑顔になって言いました。

「はっはっは、そう悲しまなくてもいいよ。僕は太陽。地球よりも大きいんだし、誰がどんな勝負を挑んでも勝てっこないんだから。わっはっはっはー」

太陽の大きな笑い声が、遠くの山々にまで響きわたりました。


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しかし、しばらくして北風は言いました。

「それなら、太陽くん。もう一度勝負してみないか。君は自分が一番だと思ってるかもしれないけど、今度は負けるってこともあるかもしれないよ。」

それを聞いた太陽は、更に大きな声で笑って言いました。

「何を言ってるんだい?北風くん。どんな勝負をしたって一緒だよ。地球上の誰もが束になって挑んだって、僕には敵わないさ。」

自信満々の太陽は、メラメラと燃えあがって、あたりは真夏日のように暖かくなりました。

北風は言いました。

「じゃぁ、あそこにいる旅人の服を早く濡らした方が勝ちっていう勝負はどうだろう?」


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北風の提案を聞いて、しばらく太陽は考えました。

「旅人の服を濡らす勝負? それならまた僕の勝ちだな。だって、北風くんがどんなに頑張っても、あの旅人を近くの川まで吹き飛ばすことはできないだろう。反対に僕なら、このまま温めてあげるだけで、汗をかいてビショビショになるに決まってる。この勝負なら、また僕の勝ちは決まったな。」

そう思った太陽は、北風に言いました。

「いい勝負かもしれないね、北風くん。それじゃ、今度は僕からやらせてもらえるかな。すぐに勝負を決めてあげるから。」


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そう言って、太陽はいままで以上にメラメラと燃えあがりました。

「さぁ、旅人さん。今日はいままでで一番暑い日だよ。すぐに大量の汗をかいて、君の服はビショビショさ。」

ところが、日差しが強くなると旅人はすぐに木陰に隠れてしまいました。

「なんて暑い日なんだ、こんなに暑いと外を歩けないよ。」

木陰で涼みながらひと休みする旅人を見て、太陽は更に燃え上がりました。

「そんなところに隠れてても、僕の力はすごいんだぞ。いずれ君の服はビショビショさ。」

しかし、木陰に入ってる旅人の服は、なかなか汗で濡れません。

しばらく時間が過ぎたのち、太陽は旅人の服が汗で少し濡れてきたのを確認して言いました。

「さぁ、見ただろう。ちょっと時間はかかったけど、旅人の服は確かに 汗で色が変わって濡れている。あぁ、疲れた。次は君の番だ。僕でもこれだけ時間がかかったんだから、君なら数日はかかるだろうね。」

ちょっと皮肉を言って、太陽は北風に順番をゆずりました。


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「太陽くん。それじゃ、今度は僕の番だ。」

そう言って、北風は身体いっぱいに空気を吸い込み、旅人とは反対の大きな山の方に向かって冷たい風を一気に吹き出しました。

「ぴゅうううううぅぅぅぅぅぅ~~~~~!」

冷たい北風が野山を駆け抜け、大きな山の斜面に沿って天に昇っていきました。

「あっはっはっは。どこに向かって風を吹いてるんだい、北風くん。旅人はそっちの方向じゃないよ。」

太陽はお腹を抱えて笑いました。

「こんなことをしてたら、何日経っても旅人の服を濡らすことなんてできないよ」


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しかし、どうでしょう。

太陽の笑い声が小さくならないうちに、辺りが少し薄暗くなってきました。

「あれあれ、おかしいな。いったいどうしたんだ?」

さっきまで暖かかった地表の空気が、北風に乗って山を駆けのぼり、山のてっぺんで大きな大きな入道雲をつくっていました。どんどんと大きくなっていく入道雲は、北風に向かって言いました。

「やあ、北風くん。僕を呼んでくれてありがとう。お礼に僕に何かできることはあるかな。」

北風は言いました。

「君にお願いがあるんだ。あまりの暑さで、木陰に隠れて休んでる旅人に、気持ちいい雨を降らせてあげたいんだ。」

「そんなこと、おやすいごようさ北風くん。すぐに手伝ってあげるよ。」

太陽が隠れるくらいに大きくなった入道雲は、すぐにしとしとと優しい雨を降らせました。北風はその雨を風に乗せ、木陰に隠れた旅人に届けました。

「あぁ、雨だ!今日の暑さをしのぐには、恵みの雨だ!汗で濡れた身体を、この雨で洗い流そう!」

旅人はそう言って空を見上げ、全身で雨を受けとめました。そしてあっという間に、旅人の服についた汗は雨で洗い流されてしまいました。


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雨に打たれて気持ちよさそうな旅人を見ながら、北風は太陽に言いました。

「さぁ、見たかい太陽くん。君がかかった時間よりも、僕らはずっと短い時間で旅人の服を濡らすことができたよ。」

入道雲のすき間から、旅人が気持ちよさそうに雨に打たれている姿を見て、太陽は悔しそうに言いました。

「そんなの反則だ!旅人を濡らしたのは君じゃなくて、入道雲じゃないか。」

そう口を尖らせて言う太陽に、北風は言いました。

「そうだよ。確かに雨を降らせたのは入道雲くんだ。でも、その入道雲くんをここに呼んだのは、僕の風なんだよ。
 確かに君は地球よりも大きくて、力も一番強いのかもしれない。でも、僕は気付いたんだ。仲間と力を合わせたら、そんな君にも勝てるかもしれないって。」

そして、もくもくと大きく膨れ上がった入道雲が、北風に続いて言いました。

「太陽くん。そもそも、僕らに勝ち負けなんてないんだよ。誰もにそれぞれ、必要な役割ってものがあるんだ。誰かが強くて、誰かが弱いとか、誰かが偉くて、誰かが偉くないとか、そんなもんじゃないじゃないかな。」

そう言って、たくさんの雨を降らせた入道雲は、ゆっくりと消えていきました。


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雨に濡れた旅人は、入道雲が消えた青空を見上げて言いました。

「あぁ、なんて綺麗な青空なんだ。あっ、あそこに大きな虹が見える。」

そう言って、再び歩き始めた旅人を見届けたあと、太陽と北風は向かい合って大笑いしました。

「あぁ、なんてバカバカしい勝負をしてたんだ。くだらない勝負はもう終わりだ。」

この勝負をきっかけに、北風と太陽は仲良く暮らしましたとさ。



おしまい


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